OS 8.5入れちゃいました

(第5回)


Dec.15

 まことに残念なことに私は未だOS8.5の目玉機能、Sherlockとフォルダアクションは使いこなしていない。で、今回は8.5で新しくなった32bitアイコンを作ってみよう。
 これまでにアイコンが32bit化されてフルカラー表示されるということは紹介した。今まで256色だったものが何万色かで表示されるようになっただけなら大した違いはない。問題は新しく採用されたα-チャンネルというマスクの部分である。
 アイコンをいじったことのある人なら御存じだろうが、今までのアイコンはResEditで開くと左みたいな感じになってた。マスクの部分は黒ベタになっている。
 ところがOS8.5からは右のようにマスクが黒1色だけでなく、グレースケールで表示されるようになった。特にフォルダの影にあたる部分にこれが用いられており、アイコンの表示では半透明で、下にあるデスクトップパターンなどが透けて見える。別にそんなものどうでも良いじゃないか、と思うかもしれないが、次のスクリーンショットを見て欲しい。
 これは左が8.1までの16bitアイコン、右が32bitアイコン。16bitアイコンでは下地が明るい色の場合まだいいのだが、これが暗い色、とくに影よりも暗い色になると影の方が明るくなってしまうというおかしなことが起こる。実用性より見てくれを気にする?オレとしてはこんな不条理は許しがたい。で、とにかくアイコンを片っ端から32bit化しようと堅く決心したのだ。
 と、ここで問題なのは多くの人がアイコンの作成に利用している(であろう)ResEdit 2.1.3ではこの32bitアイコンを編集できないのだ。きっとAppleの社内ではResEdit3.0?なんて代物が使われてて、32bitアイコンも楽々作成、という具合なのだろうが、残念ながらオレはAppleに勤めてるプログラマではないし、友人にもAppleのプログラマはいないし、だいたいプログラマの知合いはほとんどいないし、関係ないがグラマーな美人も知合いにいないし、自分自身もグラマーではないし、ダライ・ラマでも鞍馬天狗でもない(あぁくどい)。だからといって諦めてしまうワケにもいかない。暗い色のデスクトップに明るいアイコンの影が映える度に悶絶していては精神衛生上よろしくない。
 現在のところ、32bitアイコンを作成できるツールはあまりない。あまり、ということはあるにはあるんである。それがclip2icns 1.1というシェアウェアだ。ちゃんと10ドル払ってレジストするかどうかは別にして、とりあえず使ってみよう。
 このclip2icnsだが、残念ながら直接アイコンを編集できるワケではない。その点非常に使い勝手が悪いのだが、まあ根気よくやればなんとかなる。実際の手順を追って説明しよう。
 まず、こんな感じでアイコンの絵を描く。左から正確に16×16ピクセルを縦に2つと32×32ピクセルを横に2つ、というようにしなくちゃならない。もっともこれはサンプルが付属してるので、これをコピーして使えば済む。clip2icns自体にペイントツールみたいな機能はないから、別のアプリ(Photoshop、クラリスワークスだとか)で別途作成することになる。
 で、この要領で作った画像をコピーする。そこでやおらclip2icnsを起動してメニューから「New icon From Clipboard」を選択してやると保存先を聞いてくるので(ちなみにこれはナビゲーションサービス対応)適当な名前をつけて保存する。これだけだ。アイコンの画像の作成の手間にくらべれば、clip2icns自体の操作は拍子抜けするくらい簡単だ。
 このclip2icnsが便利なのは、こんな風にカスタムアイコン(IDが-16455のやつね)以外にもどんどんアイコンを作っていけるのだ。まぁ、普通の人にはあまり関係ないかも知れないが、Kaleidoscopeのスキームを作ったり、密かにアピアランスのテーマファイルを開発していたりする場合には重宝する機能だ。
 そんなこんなでどんどんアイコンを作成してみたのだが、このclip2icnsはあくまでシェアウェアである。いくつか作ってるうちに「あんたぁもう20個もアイコン作ったんだからよ、いい加減金払えよ、なあ」といったようなダイアログが出てくる。無視して作り続けるとその度に「払えよ、おい」としつこく言ってきて、終いにはそこでフリーズしてしまった(笑)。
 このダイアログはちょうどファイルを作るところで表示されるので、どうも必要以上にシステムに負荷を与えるようだね(よく分からんが)。で、このフリーズ時に作られた(というより作り損なった)ファイルの所為でその後iMacは危機的な状況に陥った。どうなったかというと、そのファイルのあるフォルダを開こうとすると、時計カーソルが出てきたまま止まっちゃうんである。何度やっても同じ。CDから起動してDisk1stAidかけても「問題ありません」と言うし。ノートン先生で調べても同様。結局はFile Buddy(ファイルの相棒?)というシェアウェアを使って、そのフォルダ内にある壊れたファイル以外を別のとこに移して救出し、フォルダごと捨てた。助かった、ありがとうよFile Buddy(あ、これもレジストしてないな)。
 その後懲りずにclip2icnsを使い続ける。とりあえずいったん元のclip2icnsを捨ててインストールし直し、初期設定ファイルも捨てる。これでオレがいくつアイコンを作ったか、ということは分からなくなったワケだな(笑)。で、普通に使う分には使えることは確かなのだが、このclip2icnsには恐るべきバグがあるらしいことに気付いた(いいか、ちゃんと覚えとけよ)。
 さっきフリーズしたときにオレは何のアイコンを作ってたかというと、6色林檎のアイコンを作っていたのだ。どうもこれがいかんらしい。というのもこの6色林檎のアイコンを作ると、必ずとんでもなく破損したファイルを吐き出し、さっきのようにそれが入ってるフォルダを開こうとするとフリーズしてしまうということが起こるのだ。何故なのかはよく分からん。もしかして6色林檎がキライなのか?作者にバグレポートを送ってもいいのだが、何せレジストしてない不正利用の身の上、しかも相手は外人ときたもんだ。英語だけは(だけじゃないけど)どうも苦手でね。
 ということで今回の教訓。「シェアウェアはちゃんとシェアフィー払ってレジストしよう!プログラマの友人よりもグラマーな美人を!(謎)」(つづく)

その後:clip2icnsはバージョン1.1.1でこの辺のバグを修正したらしいです。ちゃんと6色林檎のアイコンも作れます。


目次 インストール どこが変わった? アピアランス Finderまわり 32bitアイコンを作ろう!


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