OS 8.5入れちゃいました

(第4回)


Dec.3

 前回の最後で目玉機能「Sherlock」「AppleScript」辺りの紹介になる予定、といっておきながら今回はFinder回りの機能だ。何だかんだ言っても基本ですからな(実はこの目玉機能をまだあまり使いこなしていないだけなのだ)。で、見た目については大分紹介したのでもっと機能的なことを話そう。
 まずは前回までの記事で既にお気付きだろうが、このようにフォルダウィンドウのタイトルにアイコンが表示される。もちろんただアイコンがあるだけではない。このアイコンをドラッグしてフォルダを別の階層に動かすことができるのだ。具体的にスクリーンショットがないのは残念だが、この動作をしている時にはスクリーンショットが撮れないのだ。まぁとにかく、フォルダを開けた状態でフォルダごと移動できると言うのはいろいろ便利だ。
 で、ポップアップウィンドウでも同様にアイコンがつく。こんな風に自分でカスタムアイコンをつけておけば、フォルダ名が表示されないようにしても何のフォルダかすぐ分かるという寸法だ。ランチャーがわりにポップアップウインドウを使う人には朗報なのだ。どうです、いいでしょう。普通のウインドウと同様、ポップアップウィンドウでもアイコンをドラッグしてフォルダの階層を動かすことができる。
 8.1までで不評だった、いちいちフォルダ毎に設定をしなけりゃならなかった表示オプションだが、8.5からは「標準表示」として全部のフォルダについて一括して設定する機能ができた。とは言っても結局フォルダ毎に設定しないと「表示オプション」はつかない。まぁ手間としては20%くらいは節約、といった程度か。でもアイコン、ボタン、リストのそれぞれについて別々に設定ができるのは有り難い。
 リスト表示ではカラム幅を変えたり、順番を入れ替えたり(commandを押しながらドラッグ)できるようになった。幅を変えてファイル名を表示しきれなくなると省略するのだが、こんな感じで最初と最後を残すように略すのでだいたいの見当がつく。また、「列の幅を元に戻す」というのが「表示」メニューにあるので、心置きなくカラム幅をいろいろ変えてみよう。
 ウィンドウ関係でもう一つちょっとした新機能は、commandを押しながらウィンドウ内をドラッグするとカーソルが手の形に変わり、縦横にスクロールできる。この手袋みたいなカーソルはこの他にも上に書いたリスト表示のカラム移動の時にも現れる。また、アプリケーションパレットを移動する時にも同様にcommandを押すと出てくるのだが、ドラッグしているとこんな感じで御丁寧にもちゃんと何かを掴んでいるような形に変わる。
 次にこれはFinderの機能と言うワケじゃないのだが、「ネットワークブラウザ」は便利だ。アップルメニューの「セレクタ」にある「AppleShare」と似ているが、こっちの方がより高性能だ。階層表示が可能で、ボタンで「よく使う項目」に登録したり、削除したりもできる。
 階層表示と言えば新しいOpen-Saveダイアログ(ナビゲーション・サービス)では階層表示が可能だ。今のところこれに対応しているアプリケーションが少ないので利用できるものは限られている。ちなみにこれはフリーウェアの「iText」、なかなか使い心地がいいので愛用している。軽いので68Kマシンにもお勧め。オレは研究室のLC575やLC630にも入れて使っている。さすがにこれらのマシンでNisusWriter5.8Jは動かしたくない。まあ今までは動かしてたんだけどね。
 さて、話がそれた。OS8.5に標準で含まれるものでは「FileExchange」(PC ExchangeとMacOS Easy Openが一緒になったもの)、「アピアランス」ぐらいしかナビゲーション・サービスに対応していない。この階層表示は慣れないと結構使いにくい。ウィンドウズみたいだし。まぁ慣れれば便利なんでしょう。また、これの便利なところはもうひとつ、このダイアログのウィンドウは動かすこともできるし、これをバックグラウンドに廻して他の操作ができるのだ。説明があまりよくないな。何を言ってるのかよう分からんと言う人は、試しに8.1以前のOSで開くか保存のダイアログを出した時に他の事をやって御覧なさい。何も出来ないから。つまり、そういうことです。ついでに言うと、アラートダイアログも同様だ。ただ、アラートの場合ではFinderの他の操作は出来ないようになっている。
 アプリケーションメニューについてはこの間もちょっと触れたが、切り離しができる他、表示幅を変えてアプリケーション名を出すこともできる。この切り離した状態ではアイコンにファイルをドラッグすることもでき、ランチャーとして使うことも可能だ。このパレットは常に最前面に表示されるのでいつでも使えて便利な反面、邪魔になることもある。とは言ってもアイコンの大きさは小さくもできるし、縦だけでなく横にも表示可能だ。optionを押しながらリサイズボックスをクリックすると大小のアイコンを切り替え、option+shiftを押しながらリサイズボックスをクリックすると縦横を切り替える。もちろん画面のどこにでも配置可能だ。
 と、こんな感じでFinder周りの機能はだいぶ改良が加えられ、パワーアップした。そうなると気になるのが処理速度だが、ポップアップウインドウがちゃんと「ポップアップ」といった風情に飛び出してくるようになった、という点を除いては他に処理が速くなったと感じられるものはあまりない。もしかするとコピー速度は若干速くなってるかも知れないし、ネットワークコピーも高速化しているようだ。でもフォルダのスクロールなどはFinderの処理のしかたが変わった所為か、あるいはQuickDrawの描画の方法が変わった為なのか、どっちにしろオーバーヘッドが大きくなってちょっともたつく。8.5に必要なシステムはPowerPC搭載としか発表されていないが、うちのPerforma5410(603e/120MHz)で素晴らしくとは言えないまでもまぁ快適、という程度なので、603/75MHzあたりだと結構きついかも知れない。(つづく)


目次 インストール どこが変わった? アピアランス Finderまわり 32bitアイコンを作ろう!


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