まず。PENCIL-BAITとは何なのであるか、ということについて触れると。字の通りによむと「何でエンピツがエサなんだ」といった疑問をもってしまうのだが、ペンシルベイトというのはルアー(LURE)の1種である。そこでルアーについて説明すると一言でいってしまえばニセモノのエサなんである。もう少し具体的にいえば魚(主に肉食魚)を釣るためにそれらのエサ(小魚やカエル、昆虫など)に似せて作られたものに針をつけてロッドとリールを使って投げ引いてくると魚たちが食いついてしまうという、一見感動的だが釣れないと妙に空しいものなのである。で、このルアーの中でTOPWATER PLUGという種があって、これは常に水面にあるのでこういう名がついているのだが、ペンシルベイトというのはこの種に属するのである。
 ペンシルベイトは主にブラックバスという魚を釣るのに用いられる。そこでこの魚について説明すると、ブラックバスといわれるのにはいくつか種類があって、日本にいるのはノーザン・ラージマウスバスとフロリダ・ラージマウスバスの二種である。後者は奈良県の池原ダムにしかいないので日本でブラックバスといえばノーザン・ラージマウスバスのことを指す。この魚は肉食魚で、食べられる大きさのものならば動くものは何でも食べる。その上、好奇心が強く、そのためニセモノのエサに簡単に食いついてしまう。よく釣れる大きさは30cm前後だが、この魚は最大で60cm以上にもなる。そして針にかかってから走りまわるやら飛び上がるやら、派手に暴れるので釣りの対象魚としてはよいものである。
 ペンシルベイトに話を戻すと。名前をみてもわかるように、鉛筆のような形をしていて、ちょっと見ると棒っきれに針がついただけ、といった感じのものである。形が素朴なだけに、ただ引いてきただけではルアーとして機能しない。それだけに操作が最も難しいルアーだともいえる。しかし、その特性を知ってしまえば割合に簡単なものだということに気付くだろう。
 そこでペンシルベイトについて色々あれやこれやと調べてみるのである。まずはじめに市販されているペンシルベイトをいくつか取り上げ、それらについての諸々をみていきたいと思う。


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