はじめに


 PENCIL BAITというのは釣りに関係があるものである。PENCIL BAITについては後に説明するとして、釣りについて少々触れると。私が初めて釣りをしたのは6〜7年前になるだろうか。父に連れられて鮒を釣りに行ったことがことが何度かある。そのころは釣りよりも蛙をつかまえたり岸辺を走り回ったり、そういったことの方が楽しく、釣りなんてものは退屈なものだと思っていた。
 小学校の6年の時、同級生に釣り好きの友人がいて、私も次第に釣りにのめり込むようになった。そのころからルアーフィッシングを始め、何度か釣りに行ってみたが、一匹も釣れなかった。しばらく魚が釣れない時期があって、ルアーでは魚が釣れないものだと考えるようになった。
 ある日、鯉を釣りに行き、この釣りは吸込釣りといってエサを放りこんでおいて魚がくいつくのを待つ、という非常に暇な釣りだったので魚がくいつくのを待つ間、ルアーをやってみた。その少し前から私は自分でルアーを作っていて、そのルアーを投げていた。岸を歩いて水際に降りられそうな場所を探していると岸から10m位離れたところにバス(という魚)が沢山泳いでいるのを見つけた。しめた!と思ってそのルアーを投げ魚の鼻先を通してみた。が、私のルアーは完全に無視された。今度は少し離れたところをゆっくりと時々止めたり、あおったり、色々誘いをかけながら通してみた。と、二匹のバスが近づいてきた。これは!と思って食いつくのを今か今かと待ち構えていると、魚はバカにしたようにクルリと向きを変え、泳ぎ去っていった。そして結局一匹も釣れなかった。
 結局、初めてルアーで魚を釣ることができたのは1987年の4月である。それ以来、私はすっかり身も心も釣りに浸され、現在に至っている。その結果私は第1志望の高校に入れなかったり、高校に入ってからはテスト前以外には勉強らしいものをしなくなったり、日記を読みかえしていると休日のところにはきまって「釣りに行った。釣れた。」と書かれているのを発見したり、部屋の中が釣具店のようになってしまったり。それが良いか悪いかは臨終の床でゆっくりと考えようと思う。
 それでは本題に入ることとする。


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