(第1回)
というワケでいつになくアグレッシブな企画、まだ発売されてもいないMacOS Xを徹底検証しちまおうというかなり強引なこのコーナーだが(ホントかよ、それに先ずはOS 9とかさらには8.6の記事を完成させる方が筋ってもんだろう)、まずは順当にMacOS Xとはなんであるか、ということを例によってかなり大雑把かつ事実誤認を大幅に交えながらお伝えしよう。うぬぬ、反省の色なし。
そもそもOS XのベースになっているのはNeXT社の作っていたOpenStepというUNIX系の(UNIXそのものではない、らしいのだが細かいことは省略)OSである。次世代のMacOSをつくるにあたってAppleが長年進めてきたCoplandのプロジェクトが結局行き詰まり、それならもう出来上がってるのをどっかから持ってきちゃって済ましちゃえ、という感じで(はないだろうが)いまやAppleのCEOになったSteve Jobsがやってた会社、NeXTの開発したOSであるOpenSTEPをAppleが会社もろとも買い取ったのが1997年のこと。実はこの時ベースとするOSの候補としてBeOSもあがってたというのがもっぱらの噂なのだが、真偽の程は定かではない。
その時のAppleのCEOであったG.アメリオはCoplandプロジェクトは凍結し、現行のMacOS(ようやくOS 8が出た頃だった)は近いうちにすべてOpenStepベースの次世代MacOS、Rhapsodyに統合する、という方針を発表したのだった。今度出ます、いや、もうすこししたら出ます、の繰り返しで殆どオオカミ少年状態となっていたCoplandに見切りをつけて手っ取り早くOSの世代交代が出来そうな方針ではあったが、なにしろそうなると既存のMacOS用アプリケーションは全てつくり直さなくてはならない。ソフトウェアベンダーからの賛同をちっとも得られず、一方で段階的にフェードアウトするという現行のMacOS 8が思わぬ大ヒットとなってしまったこともあり、Rhapsodyの方はそのうち立ち消えになるのでは、と囁かれたりもした。
しかしその後Rhapsodyの開発スケジュールは遅れながらも着実に進んでいた。名前もいつの間にかOS Xとなり、その方向性もかなり固まったのが1998年5月のWWDC(という開発者向けの集まり)。詳しい技術的なことはオレにはよく分らないのでそれなりに噛み砕いて言えば、要はコアとなるカーネルの上にBlueBox(旧来のMacOS互換API)、YellowBox(NeXT互換API)Carbon(新しいMac OS X独自のAPI、といっても旧来のMacOSをスリムにしたようなもの)が乗っかっている、というもの。
なんと言ってもCarbonの良いところは今までのMac
OS用のアプリケーションでも1〜2割手直しすれば対応できる、というところにある。これでソフトウェアベンダーもホッと一安心、ようやくOS Xへ移行する目処が立ったということなのだ。
まぁそんな中身がどうなっていようとオレらのようなしがないエンドユーザーにはあまり関係ない。問題なのは操作感がどう変わるのか、インターフェイスはどんなものになるのか、ということなのだ。ということで次回はその辺りのことを。(つづく)