How to get Jazz-LP?


Nov.18

 前回から1ヶ月も空いてしまった。気が付けばすっかり世の中はクリスマス一色だ。え、まだ早い?まぁまぁ、そういうことにしとこうじゃないの。で、それとは殆ど関係なく、今日はジャズのレコードの買い方指南だ。え、そんなもん勝手に指南するなって?そういう苦情には聞く耳持たずどんどん進む。まあ、どうせたいしたことじゃないから。
 で、ジャズのレコードの買い方である。といっても何を隠そう、オレはジャズ以外のレコードを買ったことがないので、これは殆ど「【Ormitte】風レコード購買術」という様なモノになるな。“術”といっても何か特殊な能力が必要とされるワケじゃないので安心してくれ。前置きが長くなった。本題に移ろう。
 先ず、特にジャズを聞き初めの頃というのはどれを聴いたら良いのか分かりゃあしない。で、とりあえず無難にいわゆる「名盤」みたいなのからアプローチする。といわれてもどれが名盤なのかが分からない。で、ここで本屋の音楽関係の書籍を置いてある棚で『これが名盤!モダン・ジャズ、ベスト152』(実際にこんな本があるかどうかは知らないが)といったような本を探してしまうのも手だ。でも、それはあまりに鼻行類研究所らしからぬやり方だ。
 で、どうするかというと、とにかく有名どころのアルバムを片端から買ってゆくのである。有名どころ、といってもいきなり最近の人のを買うのは良くない。まずはマイルス・デイビス、アート・ブレイキー辺りから入ってみよう。なぜこの2人の名前を出したかというと、マイルスのバンドとアート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズというのはモダン・ジャズ界における2大登竜門であり、人材の宝庫なのである。つまりこの2つのバンドの歴代のアルバムを片っ端から聴いていれば、少なくとも5年前(というのはこの2人が死んでたしかそれくらいになるので)以前にデビューした有名ジャズマンの大部分が網羅されるという仕組みだ。で、その中で気に入ったプレーヤーのアルバムをまた片端から買ってゆく。そしてその中でまた気に入ったプレーヤーがいれば、といった具合にどんどんねずみ算式に聴く範囲を広げてゆく。
 ただし、マイルスとブレイキーの2人だけだとオレのお気に入りジャズメンの半分くらいは含まれない。で、それらのちょっと主流から外れた渋めのジャズメン達にはこの方法だとなかなか巡り合えないかも知れない。いやぁ、残念残念(とか言ってないで解決法を出せ!)。だからこそ渋いのだが。
 とにかくこんな風にしてある程度の枚数を聴いているうちに、だんだんジャズのトレンドみたいのがおおまかに掴めてくる。そうなると聴かなくてもジャケットのクレジット(録音年とメンバー、曲目なんか)を見ただけでだいたいの演奏内容に見当がつけられるようになってくる。この段階に入った頃にはだいぶ自分の好みも固まりつつあるだろう。そうなればもうどんどん自分の好きなのを選んで買ってゆけば良いのである。これでまぁ人にもよるがだいぶ長いこと楽しめる。
 しかし、そうこうしているうちにだんだんと気に入ったものがなくなってくる。特にすでに故人となったジャズマンだとどうがんばっても新作は出てこないのだし、レコードの数には限りがある。で、新人に目を向けるというのが普通ありそうな対処方だが、それでは面白くない。まあそうやってみるのも良いが、ここでは敢えてもっと過激で楽しい方法を伝授しよう。
 それは何かというと、ズバリ「ジャケ買い」である。ジャケットのデザインだけで選ぶという、あまりにも暴力的な手法である。この方法はその反社会性から法律によって禁じられている国さえある。ないか。まぁいい。とにかくジャケットを見て「これだあっ」とか叫んで買ってしまう。
 ジャズのレコードのジャケットにはなかなか傑作なものがある。ジャズファンの間でよく話題に上るものとしては「Moanin'のジャケットはつくづく恐い」とか、「サンベア・コンサートの字のヘタさ加減には笑える」とか、「チック・コリアのあの恥ずかしい写真」とか、いろいろある。しかし、必ずしもジャケットがカッコよくても中身が素晴らしいとは限らない。逆にジャケットがなんじゃこりゃ、というのでも演奏は凄くいいこともある。そこがまた「ジャケ買い」の奥深いとこである。
 ところでレコードには国内版と輸入版がある。輸入版の方が安いし、国内発売されないものも多いので基本は輸入版だ。しかし、国内版を買うと良いこともある。それはライナー・ノートが日本語で書いてあるということである。原盤のライナー・ノートを単に訳しただけのもあるが、たいていは日本人が新たに書いたものが付いている。当り外れもあるが内容はなかなか充実していて、そのアルバムの録音された頃のジャズシーンや、演奏者の経歴なんかを理解するのに役立つ。
 ということで、こんな感じにジャズのレコードをどんどん買ってみようではないか。でも金がかかるのよね。そんなむきには図書館で借りてくるというのも手だな。結構ありますよ。


Jazzのページ

Copyright 2000 Ormitte Denko,All-Rights Reserved.